ハーブと占星術

 

 17世紀の医師ニコラス・カルペパーという人は芳香療法家として知られていますが、彼は占星術師でもあったので植物の性質と星の性質を当てはめて植物の支配星を決めました。そのことによって人のホロスコープからその人に必要な香りを選び出すことも可能になりました。
  ホロスコープにはその人に関するすべての情報が分かります。その人が意識していないところまでも。日本では占いというと当たる当たらないのレベルが長く浸透していましたが、最近では欧米の心理占星術などが少しずつ入ってきて、自分探しのあるいは自分を開発するためのツールとして利用する方法が広まりつつあります。
 植物の主な支配星とそれぞれの星の性質を挙げましょう。
  ちなみに生まれたときに配置されている太陽系の惑星から、その人の火星の部分はどこの星座のどこのハウスにあって、しかも他の星とは角度によりどういう関係かでその人の火星の性質は変わります。
  例えば行動力を表す火星が獅子座にあればエネルギッシュだし、乙女座にあればもう少し知的になるし、お金の部屋である第2ハウスにあればギャンブラーになるかもしれないし、家庭の部屋である第4ハウスにあると家事にエネルギーを使うことが多いかもという見方ができるのです。もちろん他の星とのアスペクトなどにより読み方が異なります。

【植物の支配星】

§太陽§

 はっきりと打ち出さなければならない個人の主体的な目的。心臓と動脈を支配する。
 精油はアンジェリカ、ローズマリー、オレンジ、ネロリ、フランキンセンス、ミルラ

§月§

 個人の人格の基礎を表します。脳と対応し、神経系と精神に共鳴する。快、不快という反応はこの月から出ています。挫骨神経痛や子宮に関する病気、惰眠症などと関係します。
精油はカモミール、ライム、ヒソップ

§水星§

 個人的な知性の傾向や個人が工夫しようとするときの知能の使い方。頭と精神、手足を支配する。
 精油はラベンダー、ペパーミント、フェンネル、マジョラム

§金星§

 個人的な感受性や楽しむ能力。生殖器と「女性的な」性質を支配。
 精油はローズ、ゼラニウム、イランイラン、ヤロウ、クラリセージ、コリアンダー

§火星§

 自分という個人存在を対外的、社会的に打ち出す積極的な攻めの働きをもつ天体です。鼻に関する疾患、血管障害、癇癪に関係する。
 精油はバジル、ブラックペッパー、ジンジャー、ガーリック、パイン

§木星§

 穏和な力、他者を容認する寛容。発展と拡大を支配します。肝臓、静脈、肺、呼吸器系の疾患と関係します。
 精油はメリッサ、ジュニパー、ベンゾイン、ジャスミン、プチグレイン

§土星§

 自己管理能力が要求される事柄を表します。土星をうまく使えると人生において道を究めることも出来るようになります。キーワードは忍耐力、努力、持久力。うつ病、精神障害、記憶力と関係します。
 精油はサイプレス、ユーカリ、セージ

§天王星§

 当たり前の日常を突破して作り出される、新鮮で白熱した冴えた力を示しています。躁鬱病、ストレス性の神経症頭痛などかかりやすいです。
 精油はシダーウッド、サンダルウッド。

§海王星§

 自意識を捨てた、忘我の状態を表します。夢の意識に近いといえます。リンパ腺の疾患と関係します。この辺になるとカルペッパーの時代には発見されていなかったので、対応する精油がわかりませんが、クラリセージ、フランキンセンス、ミルラと書かれている占星術の本があります。
 私はグレープフルーツやヘリクリサムとかが近いような気もします。

§冥王星§

 死と再生に関係し、日常生活を安定させている「常識」を壊すような深刻な事態を生み出します。本によって支配する精油がどの星でも違っているのですが、金星はローズとかわかりやすいものは間違いないと思います。

ちなみに洋書ですが、ロンドンのアストロロジーの店で買った本「HEALING WITH ASTROLOGY」 MARICIA STARCKによると

太陽 メリッサ、ベンゾイン、ネロリ、パチュリー
カモミール、サイプレス、ジュニパー
水星カルダモン、フェンネル、ラベンダー、ローズマリー、タイム、ペパーミント
金星 ベルガモット、ゼラニウム、ジャスミン、ローズ、イランイラン
火星ブラックペッパー、ジンジャー、バジル
木星 シダーウッド、サンダルウッド
土星カンファー、ユーカリ、パイン
天王星 ヒソップ、マジョラム
海王星クラリセージ、フランキンセンス、ミルラ
冥王星 セージ、シダーウッド、サンダルウッド、ジャスミン、イランイラン

と重複する星もあり植物と星の関係もあいまいなものもあるということですね。
 この本にはちなみに星に対応するフラワー・エッセンスやハーブ、音楽、色、石、ビタミンなども書かれています。
 占星術の本はたくさん出ていますが学研から出ている松村潔の「最新占星術入門」が初心者にはわかりやすいと思います。

ただホロスコープをつくる上ではパソコンソフトがあったほうが断然便利です。
「Stargazer for Windows ではじめるパソコン占星学」 小曽根彰男
このホロスコープ作成ソフトに勝るソフトは未だみたことがありません

めんどくさいのは嫌だけど星と香りの関係に興味のある方は
「香りと星座の物語 ―12ヶ月のアロマセラピー」
 ジェーン・グレイソンフレグランス・ジャーナル社 1500円
がお勧め。星座ごとの精油や月の精油を用いた瞑想などが書かれています。

そのほか
アロマテラピーと占星術について書かれたパトリシア・デービスの
「Astrological Aromatherapy」もある。
英語がわからなくても星座別のマッサージオイルやバスオイル、香水のレシピ満載でとっても楽しい。
パトリシア・デーヴィスのアロマテラピー占星術パトリシア・デービス 東京堂出版
植物と星の関係について深めたい方必須の本。
アロマや占星術の初心者でもかなりわかりやすい説明になっている。
それぞれの星座や惑星を象徴する精油について、ハウスやトランジット、キロンの説明もあり、セラピーでより利用しやすいようになっている。
星座別のブレンドレシピもあり。


ハーブなどの植物と星との関わりのためには4大元素についてよく知る必要があるので、
占星術の初心者向きの本ながら4つのエレメントのタイプについてくわしい
「心理占星学入門」岡本翔子 扶桑社もおすすめ。
ヒーリングに関わる人はカイロンについても書かれてあるので参考になるかも。

同じく占星術では有名な鏡リュウジの本では
「占星綺想」青土社
の中でカルペパーがチャートをみて体の状態を診断し、ハーブを選び、処方する方法について書かれていて興味深い。

★エレメントと植物の関係

さて自然界は4つのエレメントで成り立っています。
風、火、土、水の要素です。
それぞれのエレメントについてと植物との関係を見ていきましょう。

風のエレメント
風は季節でいうと春、人生の時期では1〜21歳
星座は双子座、天秤座、水瓶座
特徴はクール、軽い、スピーディ、精神的、知性、クリア、移り気、散漫、フレキシブル
スリムで背が高い

クールな感じで知性をクリアにする植物といえばすぐ思いつくのが
ペパーミントですね。
ミントはまさに風のエレメントとのつながりがあります。
しかし、水気のある場所を好むので水の要素もあり、スーッとしてピリっと一瞬にして
暑くしたり、冷たくするのは火の要素もあります。
ここでは何が優勢かを考えるとミントの特徴を一言で言ったときに、あてはまるエレメントがペパーミントの代表的なエレメントであるということになるのではないかと思います。

その他の風のエレメントが優勢の植物
セージ、ラベンダーなど鎮静作用のあるシソ科の植物
ユーカリ、レモン、ライムなど香りがすっきりしている植物
パセリ、ディル、アンジェリカなどの空間を保って軽やかさをあらわすセリ科の植物
他にカモミールやコスモスのように葉に切れ込みがあり、葉の間に空間を持つキク科の
一部の植物もあります。
マツバウンランのように背が高く、茎がしなやかで軽い植物も当てはまると思います。
多くが春に花が咲く植物があてはまることが多いでしょう。

これらの植物は人に対してどのような働きをもつでしょうか。
気分を変える、クリアにする、重いのを軽くするなど
つまり、土の性質に傾いて、頑固で重くなっている時に緩め、活動させることが出来ます。
食べ過ぎたときにディルやミントなどすっきりするハーブを使うのも、風の要素を活用することになります。

火のエレメント
火は季節では夏、人生の時期は22〜42歳
星座は牡羊座、獅子座、射手座
特徴は明るい、エネルギッシュ、アクティブ、カリスマ的、情熱的、不用意、気配りにかける、筋肉質でダイナミック

火の性質を持つ代表選手はとうがらしです。
カッと熱く、辛いのですぐ汗が出て代謝が促進されますよね。
多くの香辛料が火の性質を持ちます。
ジンジャー、カルダモン、バジル、オレガノ、マジョラム、ローズマリーなど
しょうが科と温め、消化促進作用のあるハーブなど。
夏の花の代表であるひまわりやキョウチクトウは夏の強い日差しの中で、元気にエネルギッシュに花を咲かせています。強い日差しに負けることがないというのも火の性質を強く持っているように思います。
燃えるような赤い花であるハイビスカス、彼岸花、インディアンペイントブラッシュも大きく関わりがありそうです。赤い薔薇もそんな要素もあります。
また花は赤くなくても茎や葉に赤い色素がみられるものも火の性質を含んでいるのではないでしょうか。
また、種がはじけ飛ぶような性急な動きをするほうせんかなども火との関係はあります。

火と相反するものは水です。火は水を蒸気にすることが出来ます。
感情を動かすことが出来るのです。
つまり無感情になっているときややる気がおきないときに火の要素は役立ちます。
あと頑固な便秘など動かない機能を促進するのにも役立つと思います。
その場合、マジョラムやブラックペッパーなどよいでしょう。
とても冷えていて、すぐ温めたいときにはジンジャーが活躍するでしょう。


土のエレメント
土は季節は秋、人生の時期は43〜63歳
星座は牡牛座、乙女座、山羊座
特徴は現実的、実務的、不変、ゆっくりしている、頑固、受け身、徹底的、慎重、重い

どっしりとした木は土の性質らしく変わらない安定感を持っています。
マツやヒノキなどあらゆる木はあてはまります。
また深く根を張るような性質を持つ植物、たとえばバラ科の植物はほぼ当てはまります。
特にバラ科の木である桜や桃、梨や杏の木など同じサイクルを何度も繰り返し、金星を守護にするバラ科なので水の要素もあり、感情を安定させる作用がとてもあります。
バッチのチェリープラムがレスキューの中に入っているのもうなづけるでしょう。
大地とのつながりというところではグリーンの花を咲かせる植物も土との関係がありそうです。大地を覆うように葉を広げるレディースマントル、他にネイティブアメリカンの中で大地といえばとうもろこしをたとえられるように食べ物の恵みをもたらす植物も土とのつながりがあります。
ゆっくり大地に根付き、成長するような植物も土の要素を含んでいると思います。

土は風の不安定さを落ち着かせることが出来ます。
風の性質が過剰な人によいと思います。
不安定で同じ考えがぐるぐる頭をめぐる人はバッチのホワイトチェスナットがいいですよね。チェスナットは栗の木です。
あと風は肺、呼吸器と関係がありますが、木の香りは呼吸器系に働くことが多いです。


水のエレメント
水は季節は冬、人生の時期は64歳〜84歳
星座は蟹座、蠍座、魚座
特徴は感傷的、夢見がち、献身的、潤い、内省的、気分屋、惰性、柔軟で丸みがある

水と関わりのある植物はすぐにわかります。
水がないと生きていけない植物です。
多くの水生植物が当てはまります。
ハスや睡蓮の他、湿地に生える植物です。
尾瀬などの湿原へ行くとよく見られるミズバショウなどの湿原植物もそうです。
梅雨時によく見られるアジサイや菖蒲などもそうですね。
海辺、河原や池など水のあるところに育つ植物、他にはごまのはくさ科の植物や日本ではメマツヨイグサ、ヨモギなどあります。

水はよく感情と結びつけられ、女性性ともつながりがあります。
球根の植物は水気をすでに含んでいるために、ゆり科、ひがんばな科など女性的な感じの花を咲かせることが多いようです。
薔薇はすべてのエレメントがバランスよくあるので、水の性質の柔軟で丸みがあるとか潤いなども含まれます。

水は乾いたところに求められます。あるいは火を鎮火させることが出来ます。
潤いをもたせて、炎症を鎮めます。アロエなどはまさにそうですね。
ちなみにアロエはゆり科です。
また女性的な気遣いという面も水の部分なので、風や火の強い男性的な性質を持つ人に柔らかさをもたらすことを促してくれます。
また女性の方は肌に潤いをもたらす植物は欠かせないですね。ローズ、カレンデュラ、カモミール、マロウ、リンデンなど。

★ 占星術を利用して・・・

自分のホロスコープを出したときに4つのエレメントがどれだけ含まれるか見てみましょう。全部で10個の惑星を配置したときに何が過剰で何が少ないのかわかります。
そのときにどんな性質を自分が持っているのかを考えて、植物を利用することが出来ます。
またその星座の時期に体調が悪くなりやすい場合、その星座のエレメントにあった植物を使ったりするのもよいでしょう。

★魔女系のハーブの本
ハーブの歴史や伝承・神話、暦とともに使われてきたハーブなど知ることでハーブをより深く知ることが出来ます。

ハーブの魔術 マーガレット・ビクトン 作品社
ハーブにまつわる伝承や神話を理解できるようになっている写真の美しい本。
もちろんレシピもあり。

薬草魔女のナチュラルライフ―ハーブを楽しむ・ヘルシーハーブ活用術  ガブリエレ・ビッケル 東京堂出版
わかりやすい写真入の軽く楽しく読める本。メディカルハーブの本になっている。

ナチュラル・マジック―大地の力を生かす技  マリアン・グリーン 河出書房新社
この本のシリーズはだいたい魔女系なんですけど、自然と人間との関わりを理解するうえで役立つ本かも。

ハーブ歳時記  北野佐久子 東京堂出版
ハーブのブームの初期から活躍していらした北野さんの影響はかなりあります。
この本は西洋でどのようにハーブがかかわってきたのかを知るのにとても役立つ本で、今でもよく開きます。(歳時記好きなんで)